年末年始の便秘を防ごう
こんにちは。江戸川橋胃腸クリニック看護師の鈴木です。
いよいよ本格的な冬に突入で寒くなってきましたね!
今年はコロナ禍で実家へ帰省しない方もいると思いますが、それでも年末年始はいつもより食べすぎ、胃腸の調子を悪くして便秘になる方も多いです。
そこで本日は、できるだけ便秘にならないような対策をお伝えします!
①できるだけ魚料理を選ぶ
イベント時には、沢山のお肉料理が並びますが、豚肉・牛肉など4つ足のお肉は消化に時間がかかるので、食べすぎていると人によって便秘になることがあります。
日本は本来、魚料理が多かった民族ですから、お正月には鯛やブリなどの魚料理も並ぶことが多いと思います。そういった場面では、
積極的に魚料理を選んでみましょう。
②お酒を飲んだらお水も飲む
年末年始は、連休が続くのでお酒をいつもより飲む方も多いと思います。お酒は気分を高揚させてリラックス効果もありますが、同時にアルコールを分解するために沢山のお水が使われ、
体はどんどん脱水傾向になります。
便の成分の70~80%くらいは水分なので、脱水があるとどんどん硬い便になってしまいます。お酒を飲んだら必ず1杯お水を飲むなど、水分不足に注意しましょう。
③最初に野菜や発酵食品を食べる
何事も腹八分目、が良いとされます。時には羽目を外してお腹パンパンまで食べることも楽しみの1つですが、基本的には腹八分目にすることが大切です。食べすぎを防止するには、はじめに野菜や発酵食品(キムチ・漬物・味噌汁)を食べるようにすると、胃腸も膨れて食べすぎ防止になります。また、食事中の血糖値の急上昇を抑えてくれますので肥満予防にもなりますよ。
④軽い散歩や運動をする
連休だと、体を動かす機会が減ってしまいがちですよね。そうすると腸の「蠕動運動」も低下して便秘がちになってしまいます。近所の散歩、ラジオ体操などなるべく運動の機会を作るようにしましょう。
いかがでしたでしょうか。できるだけ暴飲暴食は避けて、仕事始めをスムーズに迎えて頂きたいと思います。
では良年末年始をお過ごしください。今年もありがとうございました。
痔の「コロナ悪化」を防ごう
こんにちは。江戸川橋胃腸肛門クリニックです。
緊急事態宣言が延期され、5月いっぱいは在宅ワークが決定している人は多いでしょう。
その中で心配なのは、「痔の悪化」です。
今回は悪化してしまう要因と、予防法についてお伝えします。
痔とは
肛門の外側や内側に、いぼができて疼痛があったり出血したりする症状です。
内痔核・外痔核・切れ痔・いぼ痔など種類がありますが、総じて肛門周囲の血流が悪化することが要因です。
<具体的な原因>
・便秘気味で便が硬く、排便のたびに肛門の粘膜へ負担がかかっている。
・食物繊維の不足など食生活の乱れ(便が硬くなる)
・デスクワークで同じ姿勢が続くことが多い(肛門周囲が圧迫されている)
・エアコンなど夏場でも体が冷えやすい(全身の血流が悪い)
などが挙げられます。
在宅ワークで悪化する可能性があります
緊急事態宣言によって在宅ワークへ切り替わった方の中には、
自宅の椅子で長時間の作業はきついと言われる方がいます。
「ダイニングの椅子」で作業しているという方もいました。
オフィスの椅子と違い、ダイニングの椅子は、クッション性など長時間座ることを想定されていない
作りなので、当然姿勢が悪くなってしまいます。姿勢が悪いと下半身の血流も悪くなりますから、
痔の悪化につながりやすくなります。
痔の悪化を防ぐために
在宅ワークによって長時間の座位になる方は、痔が悪化しないようにできる限りでセルフケアをしましょう。
おすすめは下記のようなものです。
【運動】
〇1時間に1回程度は立ち上がり、簡単なストレッチや屈伸運動を行う。
〇座位のまま、おしりを左右にスライドさせる。
〇肛門括約筋を1~2分閉めるを数回繰り返す。
とても小さな動きのようですが、肛門周辺の血流改善には効果的です。
【食事】
〇便秘を防ぐために、水溶性食物繊維が多い海藻類などを多めに摂る。
〇ノンカフェインの水分を1日1.5~2.0リットルほどこまめに飲む。
便が固い方は、マグネシウムが含まれた「硬水」がおすすめです。
〇食事だけで難しい方は、乳酸菌であるミヤリサンやビオフェルミンもおすすめ。
(市販で買えるものもあります。様子をみながらお試しを。)
まとめ
在宅ワークが今後も続く可能性が高い方は、痔が悪化するリスクが高まります。
辛い思いをしないように、可能な範囲でケアをしてください。
しかし、どうしても辛いときには早めの受診をお願い致します。
江戸川橋胃腸肛門クリニック
※イラストはネットより引用しています
便秘の時に効果的な食物繊維とは?
こんにちは。文京区おしりのお悩み解決、江戸川橋胃腸肛門クリニックです。
腸内環境についての話題が、雑誌やテレビなどで特集されてますね。
便秘に悩んでいる方は、当院にも多く来院されます。
整腸剤などでケアしていきますが、普段の食事が最も大切になってきます。
特に食物繊維は、種類に気をつけないと便秘を悪化させてしまう場合もあるんですよ。そこで今回は、便秘の時に効果的な食物繊維の種類について、基本的なことをお伝えします!
1、そもそも食物繊維とは何だろう?効果って?
食物繊維と聞いて想像されるのは、野菜ですよね。でも、意外にも栄養素の分類でいうと「炭水化物」に分類されます。
また便秘だけでなく、ダイエットにも効果があるなど色んな作用があります。
①分類は炭水化物
6大栄養素って聞いたことがありますか?糖質・脂質・タンパク質・ビタミン・ミネラルに最近は酵素が含まれて6大栄養素といいます。
食物繊維はどこに入るのかというと、なんと「炭水化物」に含まれます。食物繊維+糖質(米など)=炭水化物。
お米やパンを想像して、じゃぁ太るのかな?と思われるかもしれませんが、食物繊維は摂取しても胃や腸で消化吸収されず、便と一緒に排出されます。
体の材料やエネルギー源にならないので、食物繊維で太るということはありません。
②腸内環境を整える
食物繊維は、腸の中で善玉菌といわれる菌のえさになったり、便の形を整える作用があります。
そのため適切な摂り方をすると、便秘や下痢などの改善をすることができます。
②糖質を食べた後の血糖値をおだやかにする
特にわかめやオクラにふくまれる水溶性食物繊維は水に溶けて、ゲル状になり胃の中で食物を包み込みます。
そのため、お米やパンなどを食べた後、ゆっくりと胃腸を移動して小腸からの糖分の吸収を穏やかにしてくれます。
血糖値の急激な上昇は肥満の大きな原因となりますので、最初にサラダなどを食べることで肥満予防になります。
2、食物繊維の種類
食物繊維は、大きく2つに分類することができます。
①水溶性食物繊維
オクラ・めかぶ・こんぶ・納豆・わかめなど、ネバネバドロドロするような食材に多く含まれています。
これらは、便を滑らかにして排便をスムーズにする作用がありますので、便秘の方におすすめの食物繊維となります。
また、前述したように食前に食べると血糖値の上昇を穏やかにします。
②不溶性食物繊維
ごぼう・レンコン・豆類・おからなど、食べると口の中に繊維が残るような少し硬いタイプです。
これらは、水に溶けないので便のカサを増し、「蠕動運動」を促して排便を促進させます。
同時に、有害物質を吸着すると言われているので、大腸がんの予防にもなると言われています。
しかし、ここで注意点があります!
不溶性食物繊維は便のカサを増して便の形を整えてくれるのですが・・・
便秘の人が摂りすぎると悪化してしまうことがあるのです!!
ごぼうやおからを食べたら、逆におならがひどくなったりお腹が張るというのはこれが原因です。
良かれと思って食べたのに、逆効果だとつらいですよね。
しかし、まったく食べないことも難しいと思いますので、食べる際には少量をよく噛んで召し上がって下さい。
まとめ
食物繊維には種類があって、それぞれ効果が違うと分かりました。
特に便秘のある方は注意が必要で、水溶性食物繊維を積極的に採ることが大切なんですね。
しかし、効果を出すにはそれなりの量が必要、食事だけでは難しい場合もあります。
その場合はサプリメントの使用なども有効になってきますので、また次回以降、お伝えいたします^^
NS鈴木
細菌とウイルスの違いやアルコール手指消毒の根拠
こんにちは!文京区お尻のかかりつけ、江戸川橋胃腸肛門クリニックです。
2月になり、コロナウイルスが引き続きニュースになっています。
ドラッグストアではマスクの売り切れ現象も発生し、不安な方も多いと思います。
厚生労働省やWHOではアルコールによる手指消毒を推奨していますが、コロナウイルスだけでなく、インフルエンザ予防でも大切とされていますね。
風邪やウイルスから体を守るには、外からの防御と体の免疫力を上げることが大切。
今回は細菌・ウイルスの違いや、アルコール消毒の根拠をみてみましょう!
細菌とウイルスはどう違う?
ウイルス細菌はヒトに悪影響を与えるというイメージでは似ていますが、実は全く構造が違います。
細菌
単細胞の微生物で、ふたつに分裂しながら自分で増殖する。バクテリアともいいます。
人の体に侵入して、病気を起こす有害な細菌もいれば、皮膚や腸内の環境を守ってくれる細菌もいます。
乳酸菌や納豆菌など、食べものを発酵させておいしくしてくれるものもいますね。
「風邪症候群」の7~8割はウイルス感染によるもので、診察室で一見しただけでは、細菌性かウイルス性かはほぼわかりません。
原因を断定したい場合は、血液検査などの検査が必要になります。
ウイルス
細菌の50分の1程度の大きさ。自分で細胞を持たないため、ほかの生物に入り込んで生きる。
ヒトの体内に侵入すると、細胞の中に入って自分のコピーを作らせ、細胞が破裂してたくさんのウイルスが飛び出し、増殖します。
ヒトに病気を起こすことがあるウイルスとして、インフルエンザウイルス、ノロウイルスなどが知られています。
前述したように、風邪(普通感冒)はさまざまなウイルスが原因となります。
アルコール消毒の理由
私たちは、子供のころから手洗いを習慣づけるように教えられてきました。また、病院だけでなく、レストランや家庭ではアルコール手指消毒が一般的になっています。なぜ、このようなアルコール手指消毒が重要で、コロナウイルス対策にもなるのでしょうか。
新型コロナウイルスはエンベローブウイルス
ウイルスにも種類があり、ざっくり分けると「エンベローブ」と「ノン・エンベロープ」に分かれます。
エンベローブウイルスとは、「エンベローブ」と呼ばれる外側の脂質膜によって囲まれたウイルスを指します。聞きなれない言葉ですが、ヘルペス(水痘・帯状疱疹ウイルス)・エボラウイルス・インフルエンザウイルスなどもエンベロープウイルスです。
このエンベロープは、脂質に作用するもので壊れやすく、アルコールや石鹸で破壊することができます。
WHO(世界保健機構)などで、コロナウイルスにもアルコールが有効とされているのはこのためなんですね!
一方、エンベロープのないウイルス(ノンエンベロープウイルス)は、ダメージを受けにくく、アルコール消毒剤や石鹸が一般的に効きにくい傾向にあるので注意が必要です。(ノロウイルス・ロタウイルスなど)
手指消毒の仕方や種類
レストランや病院においてある手指消毒ですが、手洗いと併用することでその効果を発揮します。
理由は、手洗いで除去しきれない菌やウイルスを除菌する目的があるためです。
順番は、「手洗い」→「アルコール消毒」。できるだけこの順番で行うようにしましょう。
手荒れが心配な方は、保湿剤入りの商品をおすすめします。
まとめ
コロナウイルスやインフルエンザウイルスに効くのは、「エンベローブ」を破壊するからだったんですね!
なんとなく手洗いやアルコール消毒が大切と思っていても、きちんとできないものです。
この機会に、少し意識して実施することで、感染症から守っていきましょう!