院長コラム

2019.07.03

がん検診の有用性 ―院長コラム03―

大腸がんの検診では40歳以上になると、便潜血検査を行うことになります。現在、国が勧めるがん検診に適すると評価されているものは、胃がん・大腸がん・肺がん・子宮頸がん・乳がんの5種類の癌です。

大腸がん検査の中で検診としての推奨度は最も高く、対策型検診としても唯一推奨される検査です。さらにがん検診の中で毎年行うべきとされている検査です。

さて、潜血検査を行った方の4.28%(20人に1人弱)が陽性の判定を受けます。さらに便潜血の陽性の判定を受けた人の7.3%(14人に1人)にがんが発見される確率があります。 結果 便潜血受診者の0.31%(1000人中3人)にがんが見つかる計算になります。

一方便潜血だけで、がんの見落としはないのかと言うと、便潜血陽性になった患者の進行がんでは85%の見つかるのに対して、早期がんでは61%が陽性になるとされています。

ここで問題なのは便潜血で発見された早期がんは、SMがんと言って早期がんの中でもやや進行したがんで、内視鏡だけでは取り切れることができないものも多く含まれているのです。また、大腸ポリープの便潜血検査での陽性率は30%程度です。

つまり内視鏡的に切除できるがんやポリープを見つけるには、大腸の内視鏡検査の方が有用であるとも言えるのです。

便潜血検査は検診としては有用な検査ですが、大腸内視鏡検査を1度はお勧めします。

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